ガイドブックの「波が穏やかで子連れに最適」という言葉を鵜呑みにして、真っ昼間に底地(すくじ)ビーチへ向かおうとしているパパ。ちょっと待ってください。
遠浅すぎて泳げない問題、ご存知でしょうか。ここ干潮時は水が全然ないです。「せっかく石垣島に来たんだから、海で思いっきり泳がせてあげたい」でも底地ビーチに関しては「安全だから」という理由だけで選ぶと、高確率で失敗します。
ここ、信じられないほど遠浅なんです。
干潮時に行ってみると、大人のスネ、下手をすれば足首くらいまでしか水がありません。「海に来た」というより「巨大な水たまりに来た」感覚。はるか沖まで歩いても、まだ膝下。これではシュノーケリングどころか、泳ぐことすら不可能です。浮き輪を持ってやる気満々だった子供たちは「パパ、浅いよ」と半泣きです。
さらに追い打ちをかけるのが「蚊」の存在。
ここはモクマオウの木陰が涼しくて一見快適そうですが、海と林が非常に近いため、他のビーチに比べて蚊が多いです。対策なしで座り込んだら、数分であっちこっち刺されます。汗をかいた子供の肌は彼らの絶好の標的です。この「泳げない」と「刺される」のコンボを食らうと、せっかくの家族旅行が一気に悲劇へ変わります。
底地ビーチを攻略する唯一の絶対条件は、満潮時刻をチェックすること。
満潮時であっても大人の腰くらいの深さしかありませんが、そこがベストなんです。満ちている時間帯なら、鏡のような水面がどこまでも続き、子供たちも安心してプカプカ浮かんでいられる。波が皆無なので、海を怖がる子でもここなら笑ってくれます。
潮位を確認しないで行くのは、ギャンブルと同じです。
そして、もう一つの盲点が「食」の確保。
管理棟に自販機はありますが、食べ物は売っていません。軽食モ考えているなら、市街地でポークたまごおにぎりやパンを買ってから来ること。海辺の木陰のピクニック自体は最高に贅沢なんですから、準備一つで天国にも地獄にもなる場所なんです。
底地ビーチの真価は、昼間の遊泳ではなく「夕暮れ」にあります。その贅沢を味わうなら、必然的に北西エリア(川平周辺)での宿泊が正解になります。
石垣シーサイドホテルやクラブメッド、川平集落の宿がオススメです。
| 宿泊エリア・ホテルタイプ | 底地ビーチへの距離 | 夕日の独占度 | 子連れ利便性 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 石垣シーサイドホテル(目の前) | 徒歩0分 | 最強。部屋から見える | プール併設で安心 | 底地ビーチが庭。移動を最小限にしたいパパ |
| クラブメッド石垣島(車で5分) | 近い | 施設内からも絶景 | 食事・遊び全て込み | 予算に余裕があり、何も考えたくない家族 |
| 市街地のビジネスホテル | 車で40分 | 戻る頃には真っ暗 | 夜の食事は楽 | ビーチは「ついで」でいいアクティブ派 |
| 川平周辺の民宿・ペンション | 車で3〜5分 | ビーチまで戻れば最高 | 宿によるがアットホーム | 島の生活感と静寂を愛するカップル |
正直なところ、僕は昼間にわざわざ底地ビーチへ泳ぎに行くことは少ないです。子供を泳がせるなら、他にもっとサンゴや魚が見える場所があるからです。腰が座った赤ちゃんを軽く水遊びさせたいとかならグッドです。
でも、夕方となれば話は別。奇跡の絶景スポットに変貌します。
西向きに大きく開けたこの湾は、夕日の美しさが石垣島でも指折りです。波がまったくないから、水面が巨大な鏡になる。夕空のオレンジと紫が足元にそのまま映り込む景色は、まさに天然のスタジオです。
この景色を見せられたら、パパの計画は大成功と言えるでしょう
子供たちはビーチの隅にあるちょっとした遊具で遊び、大人はリフレクションする夕日を眺めながら静かな時間を過ごす。昼間の「泳げない不満」なんて、この一瞬でどうでも良くなるくらいの破壊力があります。
「底地ビーチは泳ぐ場所じゃない、夕日に浸る場所だ」。
そう割り切ってプランを組めば、あなたの株は爆上がりします。逆に、昼間のメインイベントとしてここを据えるなら、潮見表とのにらめっこは必須。その手間を惜しむなら、市街地のホテルのプールで遊んでいたほうがマシかもしれません。
満潮時刻の確認は「気象庁 潮位表 石垣」で検索すればすぐ出ます。干潮の前後2時間は避けるのが鉄則。
底地ビーチは、石垣島の中でも「扱いが難しい」ビーチの筆頭です。
でも、満潮時間を合わせ、蚊の対策を万全にし、そして夕暮れ時に来てみる。他のどのビーチでも味わえない「静寂と絶景」を手に入れることができます。
わざわざ車を40分走らせてここに来る価値が、あの鏡面のリフレクションにはあります。
市街地から遠い不便さは本当?ANAやフサキとの違いは?在住パパが教える「失敗しないための選び方」と、このホテルだけにある「本当の贅沢」。